8月9日はシンガポールで一番大切な日。初めてのナショナルデー(建国記念日)までの1ヶ月まとめ!


8月9日はナショナルデー(National Day)、シンガポールの53回目の建国記念日でした。

はじめてのナショナルデーの盛り上がり方に驚いたので、その背景と当日までの様子を写真でまとめてみました!

ナショナルデーは1年で最も大切な日

シンガポールにとって、なぜ建国記念日が大切で盛り上げなければならないかは、最近読んだ本から知りました。

▶︎ 【シンガポールを理解するのに最適な本「なぜ?シンガポールは成功し続けることができるのか」を読んで】

この本の中で印象的だった言葉は、
シンガポールの建国記念日は盆と正月を足したぐらい、1年で1番重要でホットな日
「シンガポールの建国記念日はいつかご存知ですか?」と街を歩くシンガポール人に質問すれば、100人が100人、「8月9日!」と即答するだろう。
背景にあったのは、シンガポール国民の生活を豊かにしなければ(中略)「シンガポール国民」というステータスに誇りを持つことも、そのアイデンティティを共有することも難しいという事情であった。シンガポールの経済成長こそが、バラバラのシンガポール人をつなぎとめる唯一の鍵だったのだ。
人種や宗教の異なる国民たちがシンガポール国民であることを誇りに思えるよう、政府がかなり気合いを入れて行なっているイベント(私の見解)。お祭りは気持ちを一つにしてくれる!

Wikipediaなども見たのですが、独立するまでの経緯が分かりやすくまとめてられているブログがあったので以下引用させていただきました。
◆1963年9月16日 終戦後イギリスの支配下にあったシンガポールはマラヤ連邦・ボルネオ島のサバ州・サラワク州と共にマレーシア連邦を結成—シンガポールは天然資源を持たない国なので資源を持つマレーシアと組み、国を発展させていこうと考えた

しかし、シンガポールとマレーシアは政治的アプローチと経済状態が全く異なる状態
さらにマレー系・中華系の比率が逆だった(シンガポールは中華系・マレーシアはマレー系が多数を占める)

マレーシア連邦は当時二大政党制
◇People's Action Party (PAP) Lee Kwan Yew率いる人民行動党
◇United Malays National Organisation(UMNO) 統一マレー国民組織

この2党間の対立が国民の間に浸透し人種間での緊張感が高まる

◆1964年7月~9月 シンガポールで暴動 死亡者36人・負傷者500人以上
7月21日 イスラム教開祖ムハンマドの誕生日(イスラム教の祝日)に集まっていたマレー系と中華系がGeylang地域で衝突
9月2日 Geylang地域で刺されて亡くなったマレー系の三輪車タクシー運転手の仕返しが暴動へ発展

政党間・人種間の緊張が高まり続け、解決の兆しが全く見えないことから
◆1965年8月9日 マレーシア連邦から追放される形でシンガポールは独立

独立に向けて水面下で動き出したのは7月半ば
E. W. Baker, Minister for LawがLee Kwan Yewに呼ばれ独立に関する書類を秘密で作成することを依頼される

8月9日以前に独立を知っていたのはわずか6人
朝10時 ラジオRadio Singapore でProclamation of Independenceが読まれる
参考:【シンガポール★ワーホリブログ > Kayの夏休みインターン日記】

時系列を読むと、独立という形がそのときの最善だったように思う。もしそのままマレー連邦として続いていたら、現在のタイ深南部のように、軍事衝突やテロ事件が起きていたのかも、、

1ヶ月前からのリハーサルを楽しむ

ナショナルデーは8月9日で、当日は当選した人(応募できるのはシンガポール国民または永住権取得者のみ。譲渡という形でなら外国人も入れるそう)だけが入れる会場で盛大なショーが行われる他、航空ショーや花火などが上がります。
【NDP 公式HP】

なお、今年の会場はマリーナベイエリアでしたが、年によっては異なるようなので要確認です。

で、このナショナルデーの1ヶ月前からリハーサルを楽しむことができるんです!

例えばこれ↓
軍事用のヘリコプターが巨大なシンガポール国旗をぶら下げて飛行するというもの!

この光景を初めて見たのが6月23日。そのときは3機でしたが、「大きな音がするなぁ」と思って外を見てみるとばかでかい国旗をぶら下げたヘリが飛んできて何事!?とかなり興奮しました。

また、このすぐ後に轟音で超スピードで駆け抜けていく戦闘機も見ました。

それから何度か見て、毎週土曜日の18:50頃に来るという規則性を発見。しかしこの時点では何が目的なのかはまだ知りませんでした。笑

その後、下記ブログでNDP2018(National Day Parade)のリハーサルであったっことを知ります。
参考:【NDP 2018 スケジュール - 今日も、夏です。】

リハーサルといっても、「National Education Show」「Preview1」などと名前がついていて、現地校の学生を招待したりと、対外向けのイベントとなっています。

街中がシンガポール国旗だらけになる

7月に入ると街中に様々な告知や国旗を見かけるようになりました。

こんな垂れ幕や、

国民の大多数が住むHDB(Housing Development Board/公団住宅)にはずらりと国旗が飾られたりも。
この国旗は自治会のボランティアスタッフの方が取り付けるそう。
参考:【ナショナルデーシーズンの風物詩、HDBの壁一面に国旗が並ぶ様が壮観!- Singapore Style〜もっと知りたいシンガポール通信〜】

ただこの光景は一部で、多くのHDBは個別に取り付けていました。5〜10ほどの国旗がまばらに掲げてあるHDBが多かったように思います。

長年住んでいる方によると、以前よりも国旗を掲げる団地はぐんと減ったそう。また、祝日を利用して海外旅行へ出かける人も多いそう。若い人は特にそうかもな。

それでも街を歩けば至るところでナショナルデーの文字を目にしました。

こんなカラフルなフラッグや、

クリスマスイルミネーションさながらのものも。

また8月に入ると、お店などでキャンペーンが始まり、お得に飲めたり、Grab Foodではフリーデリバリーなどやっていました。

リハーサルで花火を楽しむ!

リハーサル時も夜に花火が上がると知り、ナショナルデー直近の土曜日に行ってみることに。

今年のスケジュールはこんな感じ↓
17:45 - 17:50 無人飛行機(小さくて見えないかも)
17:50 - 18:00 海軍ダイバーパラシュート降下(マリーナベイに着水)
18:00 - 18:10 空軍レッドライオンパラシュート降下
18:50 - 19:00 国旗を運ぶヘリ通過
19:00 - 19:15 戦闘機通過
20:00 - 20:20 花火
参考:【NDP 2018 スケジュール - 今日も、夏です。】

毎年目玉イベントがあるそう。今年の目玉はパラシュート降下。見てみたかったけど息子が昼寝から起きたのが18:30だったので、結局花火だけ見に行くことに(^^;)

MRT City Hallから歩き、19:45頃に会場につくとすでにたくさんの人がスタンバイ。
と言っても日本の花火大会のような凄まじい混み具合ではなく、人が多いな、程度でした。

私たちは塀に登り、買ってきた肉まんを食べながら座って待機。

マリーナベイサンズのプール底には国旗が映し出されるという特別仕様!花火が終わると元のライトに戻っていたのでこれはなかなかお目にかかれない図かも。

そして、20時ぴったりに花火が上がり始めました!
20:00-20:20までの間で連続で上がったのは2回。短時間の花火でしたが、想像以上によかった!

距離が近いため迫力があって、音が体に響きました。長良川の花火大会を思い出す〜。息子は大きな音に耳を塞ぎながら鑑賞。近くにいた赤ちゃんはビックリして泣いていました(^^)

当日テレビで見た花火はリハーサルよりも長く豪華でしたが、当日はかなり混むみたいだし、リハーサルの花火で大満足でした!

当日の街の様子

それまでの街の雰囲気を見ていて楽しみにしていたナショナルデー当日。


スーパーで売っていた赤いTシャツの人だらけになるのかな?

と出かけたところ、街は、、いつも通りでした。笑

ナショナルデー当日は昼から夕方まで出かけていましたが、赤または白の服を着ている人は2、3割程度。いつもより気持ち多いかな?くらいでした。

City Hall(イベント会場付近)方面は行けばもっと多かったかもしれませんが。想像以上にみんな普通に生活していました。

また着ている人は上の世代が多いかというとそうでもありませんでした。友達グループでみんなで着たり、子供に着せたりという人が多かったかな。

タイでは王様や王女様の誕生日は街の6、7割の人が王様や王女様カラーのTシャツを当たり前のように着ていたのでその感覚でいたから余計に意外だったのかも。

シンガポールはもうアジアでNo.1のGDPを誇り、富裕国家となった今、意識が薄らいでいくのは普通のことかもしれないですね。

当日のテレビ中継

ナショナルスタジアムで開催されたショーはテレビで生中継されるので、我が家はテレビで楽しみました。

17:30過ぎから始まりました。
見れなかったパラシュート降下も至近距離で堪能。笑

マリーナベイサンズから出てきた戦闘機や国旗を掲げたヘリコプターが、テレビで出発したのを確認したと思ったら、すでに実際に音が聞こえてきてコンドの上を通過していく、その距離感がおもしろかったです。

また、轟音の戦闘機は実は5台が同じ場所から出発していて、それぞれの航路へ分かれていっていたこともテレビで初めて知りました(^^;)


正直、ショー自体はめちゃくちゃおもしろい!というわけではなかったんですが、みんなが一体となって歌を歌ったり、国が盛大に盛り上げてくれるというのは国民は嬉しいだろうなぁとちょっとジーンときました。


しかし、最初に述べた本の中では、
「シンガポール国家を歌っても、国民の誓いを唱えても、まだ我々は1つの国家ではない。(中略)あと100年はかかる」とリー・クアンユー元首相は2011年に述べている。

アイデンティティ・ロスという点で、シンガポールは本当の国家ではないし、そうなるには時間がかかると彼は明確に述べている。
と書かれていました。私の父や母よりも若い国、これからのシンガポールがどうなっていくのか、生活させてもらう中で感じ取っていきたいです。

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日本で愛国心なんて言ったらすぐにヤジがとんできそうだけど、楽しいイベントでした(^^)!

2019年はリハーサルを会場近くの芝生でピクニックしながら鑑賞しました(オススメ!めちゃくちゃ良かった)▽


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